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神々の山嶺(いただき) (5) by 夢枕 獏

神々の山嶺(いただき) (5)
夢枕 獏
神々の山嶺(いただき) (5)

まさに圧倒的
ほんとに凄い。ただ事ではない。感動、なんて言葉ではとても言い表せない。
読み出したらとめられない。何度だって読める。谷口ジローの描く漫画の凄さを、改めて感じる。映画などには、とてもできないだろう。
これは原作も読んで見なければ。

傑作であり谷口ジローの代表作の一つである(第5巻完結)
‘00年から’03年にかけてビジネスジャンプに連載された作品。原作は夢枕獏。谷口ジローが彼の小説をマンガ化するのは「餓狼伝」以来2作目である。

魅力的という言葉だけでは語ることの出来ない登場人物、マロリーのカメラをめぐって繰り広げられる数々のドラマ、精密で迫力のある山々の描写、エベレストに挑み極限の状態に置かれた羽生や深町の表情や姿、全てが圧倒的で読む者を引きつけて離さない。谷口ジローの画力がなければマンガ化は不可能だったろう。特に4、5巻の絵は鬼気迫るものがある。この作品での著者の人物(特に羽生)を描く線は近年で一番迫力がある。特に目の力は凄い。山に生きる男を描いているのだから当然といえば当然だし、著者が劇画を描いていた頃の線とも異なるのだが、チョット懐かしい気もした。

あまりの面白さに原作の小説も読んでみた。ストーリを知っていても面白い。ラストシーンはマンガとちょっと異なっていたがどちらも良い。短い文章で延々と続く臨場感溢れる心理描写は、文章を武器とする(優れた)小説ならではの世界である。絵を武器とするマンガがどうしても敵わない部分である。しかし、山々に描写や極限の状態にある羽生や深町の表情はマンガである。一コマで全てを表現してしまう。この点において小説は(優れた)マンガには敵わない。

マンガも小説も読んだ私の結論は、どちらか読むだけではもったいないということである。両方を読むことでどちらの作品の世界も広がるに違いない。

谷口ジローには、小品も含めて山を舞台とした作品がいくつかある。この作品はその到達点であるばかりではなく、著者を代表する作品の一つである。この作品を読んだ方は、著者の「K」という作品を読んで欲しい。新品での入手は難しいのだが、これも、山でしか生きることの出来ない一人の男を描いた素晴らしい作品である。


物語と谷口氏の絵が最高です。
夢枕氏の山岳小説を谷口ジローの絵でコミックにしたものだが、これは、なかなか読み応えがあるものです。夢枕氏の小説は、卓越した物語性と、人間の中にある霊性を実体化するような描写に特徴があります。サイコダイバーシリーズも、陰陽師も、神々の山嶺も、この点では共通のトーンを感じます。いつものコトながら縦横無尽とは彼のことを言うのでしょう。谷口氏の絵は、これもすばらしい背景やディテールに感心させられます。作中に、羽生のライバルとして出てくる、登山家 長谷常雄は、言うまでもなく 故 長谷川恒夫氏のことですが、これもよく描けている。長谷川氏のファンとしては、感慨深いものがありました。

定価: ¥ 1,050
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